2014-03-25-10-57-43


苦手なものはたくさんあります。

暗闇、閉所、節足動物、取扱い説明書を読むこと、らっきょ、炊いた人参(生は食べられます!)、生牡蠣(焼いたら食べられます!)、空気が止まっていること、コンタクトレンズ、などなど。

実は器を作る工程の中でも、苦手な作業があります。菊練りです。

ロクロで成形する前には、粘土の塊を準備します。柔らかさを揃えるために荒揉みし、更に空気を抜くために菊練りをします。陶芸を始めてそろそろ10年目になりますが、それが・・・・・、今だにできません。

粘土をロクロに据えてひき始めると、ぷちぷちぷちぷち・・・空気が入ってる。形を作り切り離すと、中心にポカーンと穴が空いている。一生懸命練ったはずなのに空気がたくさん入ってるんです。

10年やっても、できない。

それこそ、昔は手首が腱鞘炎で痛くて眠れなくなるほど練習しましたし、背中の痛みでベッドから起き上がれなくなるほど練った時もありました。

どんなに努力してもできないものがあるんだなぁと諦めていましたが、今年になってふっとできている時があります。あまりにも長い間できなかったものだから、それが気のせいなのかと思うほどです。本当にさりげなく、気がつくとできている時がある。時々なんですけど。

不思議です。10年経って、やっとできることもあるんだなぁ。

でも実は、それよりも、いつの間にかできていて、とても役に立っていることがあります。それは、菊練りができないことをカバーするために身に付けた技です。空気が入っている箇所を潰したり、穴が空いてる部分を補強したり。

できないことをなんとかフォローしようと悪戦苦闘したことが、今とても役に立っています。だから、たとえ菊練りできなくてもなんとかやってけます。もちろん、できたらいいけど。

何がどうなってゆくか、わからないです、ホントに。